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清玩堂は、店主がご縁をいただいたお店やブランドの商材を、店主の趣味嗜好の色眼鏡を通さずにそのままご紹介する「セレクトしない」お店です。
清玩という言葉には、器物についての自らの好みを人に押し付けず、競わず、争わず、眦(まなじり)を決することなくのびのびと愛するというような意味があるそうです。
店主はそれなりに長く物を売る商売に携わってきた者ですが、開店に際して胸に手を当て、よくよく考えてみましたところ、日常使う品物についての高邁な理想や、より良い暮らしについての明確なビジョン、かくあるべしというこだわり――そうしたものが自分の中にないことに気が付きました。
それなのになぜ、品物を企画し、売る商売が好きなのか。それは、「物(品物)」は人の手を介してしか流通しない、コミュニケーションそのものであり、流通にかかわることはすなわち人と人との間に自らが立つことを意味するからです。
そこで店主に求められるのは理想やこだわりでななく、ただその「物(品物)」について清玩の心持で接することであろうかと思います。
誰かのアイディアと技術によってこの世に生まれた「物(品物)」は、自らの足で私たちの元に歩いて来るということができません。清玩堂は仕入先様(作り手)とお客様との間にあってこれを助ける営為に知恵を絞り、工夫を凝らし続けてまいります。
店主拝
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